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緩和ケアセンター

ごあいさつ

 近年、高齢化が進み、がんに罹患する患者さんが増えてきていまして、がんに対して正面から向き合いながら、がんと共に生きる時代となりました。そこで、がん患者さんに対する緩和ケアの必要性が強調されるようになってきました。 
 緩和ケアの役割は、単なる「末期がん患者さんの看取り」ではなく、がんと診断されたその時から患者さんが抱えるであろう身体的な苦痛(疼痛等)はもとより、社会的・精神的・スピリチュアルな悩みを和らげることです。したがって、がんと診断された早期から緩和ケアが始まります。そして、緩和ケア病棟には、がんと診断された患者さんで、かつ、疼痛等の症状緩和を必要とされる患者さんに入院していただくことになります、その役割のひとつが、末期がん患者さんに限らず、外来での症状緩和が難しい患者さんに、一休み(レスパイト)入院していただくことであります。また、終末期のがん患者さんにおきましても、単なる看取りの場としてではなく、患者さんやご家族の希望を聞きながら、在宅療養を見据えて、院内多職種によるカンファランスや院外の医療施設との連携強化を図って、可能な限り在宅療養に移行できるよう、努力しております。 
 患者さんの多くは在宅での療養を希望されますが、多くは在宅療養ができていないのが現状です。理由の一つに、在宅療養を支える地域の診療所・訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所・訪問介護事業所・保険薬局などの施設が不足していることや、患者さんおよびご家族と施設との連携が良好に取れていないことが大きな理由であると考えます。そこで、患者さんと地域の医療施設等との架け橋となるべく、平成27年4月に中濃厚生病院に緩和ケア病棟を開設いたしました。 
 施設・設備の面では、病室は全て個室として、室内には手洗い、トイレ、テレビ、冷蔵庫を備え、ご家族もお泊りいただけるよう、簡易ベッドとしても使えるソファを配置しております。また、ご家族や他の患者さんとお話ができる談話室、ボランティアの方の専用室、急な時にご家族の方にご利用いただける控室と浴室も設けました。 
 当院緩和ケア病棟は、既定の概念にとらわれず、みなさまのご意見・ご要望や、ご感想をお寄せいただきながら、中濃厚生病院ならではの緩和ケアを目指します。また、緩和ケア病棟の運営には、みなさまのボランティアによる活動が必須となりますので、地域のみなさまのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

緩和ケアセンター長 林 勝知

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