緩和ケア病棟は、がんに伴う様々な症状を和らげるための「緩和ケア」を提供する場のひとつです。
「緩和ケア」は患者さんが望まれる療養場所(在宅、一般病棟、緩和ケア病棟など)のどこでも提供できますが、症状が不安定で頻回に緩和ケアに精通したスタッフのかかわりが必要な時や、苦痛除去のために外来では治療・処置が困難な症状がある場合などに、患者さんのご希望があれば入院していただく場所です。 患者さん家族の控え室、患者さん専用の台所、面談室、一定の広さを有する談話室などを病棟内に備えており、患者さんの望まれる療養環境に少しでも近づけるよう配慮しています。
苦痛緩和のための専門的な処置やお薬による症状のコントロールを行いながら、人生の最終段階をどのように生きていくかを患者さん、ご家族、医師・看護師・薬剤師・その他の専門スタッフ、皆で考え実践していくことを目的とした施設です。
症状が和らげば、退院してご自宅などで療養していただくことも可能です。
- 当院からメッセージ
「緩和ケア」というとどのようなイメージを持たれるでしょうか。
多くの方は、すでにがんの治療をしつくして、治療法がなくなり、痛みをふくむ苦痛症状の緩和を図り、看取りを待つ段階の治療と思われる方も多いと思います。 医療者でも、緩和ケアをこのようにとらえていた傾向が長らくありました。 この考え方では、緩和ケアの位置付けが積極的な治療の後というニュアンスとなります。がんの治療においては、がんそのものの症状はもちろん、手術にしろ、抗がん剤にしろ、放射線治療にしろ、それぞれが、多かれ少なかれ痛みや副作用をともなうことは避けられません。 このことから、2016年のがん対策基本法の改正時に「診断時からの緩和ケア」という言葉が明記されました。
当院では、がんに対する積極的治療中の患者さんのなかで、がんによる症状、治療による副作用の緩和が必要な場合には、緩和ケアチームと連携し、対応させていただくことにも努めております。 そして、緩和ケア病棟の目的は、つらいことを緩和することであることであり、看取りだけではないことも大切にしたい点です。
すなわち、日常生活における苦痛が、投薬や医療者によるケア(手あて)で緩和され、患者さんやご家族が望まれるなら、いろいろな社会資源(訪問看護、在宅診療その他)を駆使して、たとえ短くても住み慣れたご自宅へ退院していただけるような道筋を作りたいと思います。そして、緩和ケア病棟は、積極的ながん治療後の患者さんはもちろん、抗がん治療中の患者さんで、治療の副作用などがつらく、日常生活が困難となり、治療を一時休止される方などの療養場所としても利用していただければと思います。
そして、退院されてからも、もし不安なことやつらいことがあればいつでも入院し、療養できるような、ご自宅と病棟との敷居が低いことを感じていただけるような緩和ケア病棟でありたいと考えています。
緩和ケアセンター長 仲田 和彦
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仲田 和彦
(なかだ かずひこ)
緩和ケアセンター長 |
ご紹介を希望する疾患
学会資格等
日本外科学会外科専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医療機構がん治療認定医
日本緩和医療学会認定医
臨床研修指導医
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Profile
出身大学:東京医科大学
卒業年度:1986年
国立名古屋病院
名古屋大学病院 |
専門領域
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