あいさつ
副院長兼呼吸器内科部長兼総合診療部長 安田憲生
当院は、平成27年4月より呼吸器病センターを開設致し、呼吸器疾患全般にわたり、質の高い診断・治療を行っております。岐阜県中濃医療圏において入院可能な唯一の呼吸器病院として、関市・美濃市の他に、郡上市・美濃加茂市・可児市さらには中濃医療圏外からも紹介され、当該地域の病院・クリニックの先生方と密接な連携を取りながら、24時間体制で呼吸器疾患に対する専門的な医療に取り組んでいます。
主な対象疾患は、肺癌・咽喉頭癌などの悪性疾患、気管支喘息・アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患、肺炎・気管支炎・副鼻腔炎などの感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、自然気胸、睡眠時無呼吸症候群等です。結核に関しても、県から指定を受けた結核モデル病床を6床有し、他疾患と結核の両者を有する患者にも対応できる体制です。また外来は、日常の呼吸器の一般外来の他に、午後を中心に、喘息・禁煙・呼吸器漢方外来など特殊外来を行い、それぞれの領域の専門医が対応しております。さらに最近では、メサコリンを用いた気道過敏性試験に加え、呼気中NO濃度測定を積極的に施行し、喘息の診断レベルの向上と的確な治療法の決定に努めるとともに、気管支鏡に超音波装置を組み合わせた新しい方法(EBUS:気管支腔内超音波断層法)で、今まで診断できなかった肺野末梢の微小癌を術前に診断したり、難治性気管支喘息に対し気管支鏡を用いたサーモプラスティを適応患者に積極的に行っております。
今後、高齢化を背景とした肺癌・結核・肺炎・COPD等の増加、生活習慣や大気汚染による気管支喘息等のアレルギー疾患の増加など、呼吸器疾患はこれからますます増加していくことが予想される中で、9名の呼吸器内科常勤医が、呼吸器専門医を目指す後期臨床研修医の指導に当たり、呼吸器専門医・気管支鏡専門医の取得が可能であり、また同時に呼吸器疾患以外の全身疾患をみることができる認定内科医・総合内科専門医・総合診療医の養成にも、力を注いでおります。是非ご興味のある先生は、ご連絡ください。
診療内容
専門分野: |
呼吸器内科 |
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先端医療 |
気管支サーモプラスティー TBNA |
紹介希望疾患: |
肺癌、COPD、間質性肺炎、気管支喘息、細菌性肺炎、アレルギー性肺疾患、胸膜疾患 |
取得可能な資格
認定内科医、総合内科専門医、呼吸器専門医、呼吸器内視鏡専門医
年間症例数(2015年)
気管支ファイバー検査: |
206件 |
TBB: |
143件 |
BAL: |
22件 |
TBLB: |
4件 |
TBNA: |
14件 |
胸腔ドレナージ: |
52件 |
経験目標と内容
目標
- 急性期の一般内科疾患の診断能力の習得
- 急性期から慢性期までの呼吸器疾患の診断、治療を行える能力の獲得
- 肺感染症に対して、診断、治療を行える能力の獲得
- 喘息、過敏性肺臓炎などアレルギー性疾患に対する診断、治療能力の獲得
- 呼吸不全に対する呼吸管理と全身管理をできる能力の獲得
- 喘息、COPDなど慢性呼吸器疾患の管理と在宅酸素療法の診療を行える能力の獲得
- 肺癌の診断、進行度評価を行い、手術適応や放射線療法などへの適応を評価し、さらに適切な化学療法を導入、管理出来る能力の獲得
- 癌などの末期の緩和療法の習得
経験症例と到達目標
気管支ファイバー検査 |
気管支ファイバーによる組織生検、洗浄、気管支鏡下リンパ節穿刺 超音波ガイド下生検などの手技を習得 |
胸腔穿刺 |
胸水穿刺検査、トロッカー挿入による気胸管理、胸水管理と診断 CT.ガイド下穿刺、胸膜生検の各手技を習得 |
呼吸管理 |
酸素吸入、非侵襲人工呼吸、挿管人工呼吸、などの適応を診断にもとづいて判断、管理を習得 在宅酸素療法の適応と管理を習得 |
画像診断 |
胸部x線検査 CT検査 MRI PET−CTなどの読影にて診断を可能とする |
喀痰検査 |
喀痰検査の評価、診断を習得 |
採血検査 |
血液ガス分析を含む各種採血項目の評価、診断を習得 |
呼吸機能検査 |
検査結果を評価し診断を習得 |
呼吸不全 |
原因の診断と治療 呼吸管理 |
結核を含む肺感染症 |
診断と治療を習得 |
肺癌 悪性胸膜疾患
縦隔腫瘍 |
診断と進行度や組織に応じた、適切な治療計画を立てて、実施できること 副作用への適切な対応を習得 |
間質性肺炎 |
分類を理解し、診断と治療を習得 |
気管支喘息
COPD |
診断と治療を習得 |
気胸 |
診断と治療(トロッカー挿入と癒着術) |
緩和療法 |
癌などの末期の疼痛管理など |
学術・研究
日本内科学会 呼吸器学会 気管支内視鏡学会 アレルギー学会 肺癌学会などへの参加、発表など関連分野に関する講演会などへの参加、発表など
当科のウリ
ここがオススメ!!
- 豊富な症例があり 純粋の呼吸器疾患のみならず、境界領域の疾患を経験する機会も多々あり、総合内科的にも研修可能
- 多数のスタッフに気軽に相談出来る雰囲気あり
- 充実した設備(常時使用可能な気管支ファイバー検査室、 高性能なCT、PET-CTなど)
- 総合内科専門医、呼吸器専門医、気管支内視鏡学会専門医取得可能
- 緊急症例から慢性疾患、末期まで、呼吸器科に関するすべての研修が可能であること充実した専門病棟があり、多くの症例を入院主治医として経験可能であること
- 症例が多いので、胸腔ドレナージや気管支ファイバー検査の症例を短期間に多数経験できる
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