中濃厚生病院

がん薬物療法専門医を目指すコース

がん薬物療法
あいさつ

消化器内科 副院長兼内科部長  勝村直樹

 当院では幅広くがん患者さんの診療を行っており、「日本臨床腫瘍学会」の認定研修施設(中濃医療圏では当院だけです)となっていますので、「がん薬物療法専門医」を取得するコース(3年~5年間:カリキュラムは最短2年間で終了することが可能ですが、認定試験は2年間の卒後初期臨床研修を修了後5年以上がん診療に関する臨床研修を行っていることという条件があります)を用意しました。がん薬物療法専門医は2016年12月1日現在で全国で1,101名、岐阜県には22名しかいません。今後のがん患者総数の増加を考えると、専門医がまだまだ不足していると考えられます。この専門医の取得には基本となる診療科の専門医(以下の14学会)を取得していることが必要ですが、例えば内科の専門医を目指しながら、並行して臨床腫瘍学の研修をすすめて行くことが可能です。

 

取得可能な資格


認定内科医・内科専門医などの基本となる診療科の専門医(現実的には内科)
がん薬物療法専門医

診療内容


がん治療 
薬物療法
放射線療法
IVR
外科手術
支持療法
緩和ケア 等


年間症例数(2015年)

入院(5大癌)
胃癌 135人
大腸癌 197人
肺癌 463人
肝臓癌 73人
乳癌 29人

 

がん新規登録実人数
食道癌 11人
胃癌 104人
大腸癌 117人
小腸癌 6人
肝臓癌 46人
膵臓癌 33人
胆道癌 22人
肺癌 124人
乳癌 35人
腎臓癌 11人
膀胱・尿路癌 46人
前立腺癌 109人
甲状腺癌 13人
頸部癌 31人
子宮癌 39人
卵巣癌 9人
悪性リンパ腫 25人
白血病 12人
多発性骨髄腫 10人
原発不明癌 4人
脳腫瘍 13人
その他癌 10人


経験目標と内容

がん薬物療法専門医像(日本臨床腫瘍学会ホームページより抜粋)

 我が国では歴史的に、がんの発生臓器に関連する臓器別診療科のもとで、がん薬物療法が行われてきた。しかし、分子生物学や臨床腫瘍学の飛躍的な進歩により、異なる腫瘍の共通性が解明されるとともに専門的な知識や技能が必要とされる薬剤が臨床導入されたため、質の高いがん薬物療法を実践するためには、幅広い臓器のがん薬物療法を修得し実施することが必要である。そのため、臓器横断的にがん薬物療法を修得し、豊かな学識と高度な臨床技能を備えた専門医ががん薬物療法を実践することが期待されている。日本臨床腫瘍学会では、臨床腫瘍学の進歩に即して質の高いがん薬物療法を臓器横断的に実践できる医師を「がん薬物療法専門医」として認定する。
 がん薬物療法専門医には、以下が求められる。

  1. 臨床腫瘍学を中心に、がんの基礎医学、臨床薬理学、緩和医療学を修得する。

  2. 臓器横断的にがん薬物療法を修得した上で、患者の病態や社会背景にも配慮した質の高いがん医療を実践する。

  3. 診療科・職種横断的チームのなかでリーダーシップを発揮する。

  4. がん治療に関するコンサルテーションやセカンドオピニオンに適切に対応する。

  5. 科学的な研究手法と論理的な思考を学んだうえで積極的に臨床試験を立案、推進、実践する。

  6. 人材育成と教育環境の整備に取り組むことにより、臨床腫瘍学の発展に貢献する。

 日本臨床腫瘍学会では、認定研修施設での研修を修了した医師を対象に、書類審査、筆記試験および口頭試問によってその適格性を慎重に判断したうえで、上記のようながん薬物療法専門医を認定し、以てがんに対する治療成績の向上を図り、公共の福祉に貢献する。

日本臨床腫瘍学会認定研修施設における がん薬物療法専門医・教育研修プログラム
http://www.jsmo.or.jp/authorize/doc/cal_kensyu.pdf

がん薬物療法専門医のための研修カリキュラム —2010 年改訂版—
http://www.jsmo.or.jp/authorize/doc/cal.pdf

 

当科のウリ
ここがオススメ!!
  • 全科横断的に研修できる環境である。
  • 基本となる診療科の専門医も取得出来るよう並行した研修が可能。
  • 充実した外来化学療法室、緩和ケア病棟がある。