プログラム責任者　熊澤　昌彦

　「麻酔科診療」と聞くと狭い専門領域を掘り下げていくような印象を持つ人がいるかもしれませんが、カバーする領域は意外に広いものです。一般的にイメージしやすい呼吸生理、循環生理、薬剤に関する知識や、気道確保、血管確保の技術だけではなく、肝・腎・代謝に関わる生理や体温調節・疼痛制御に関する理解も必要です。手術看護に重なる領分や感染予防、医療安全もカバーする領域ですし、集中治療に目を向ければ感染症治療や栄養学、侵襲的な各種治療方法についての知見も不可欠でしょう。急性期医療ならではの瞬間的、瞬発的な判断力も求められます。
意外に（？）分野横断的なところのある麻酔科診療ですが、専門研修には内科より長い4年間が充てられています。専攻医は4年間に様々な麻酔管理の経験を積み、サブスペシャルティ領域研修の基礎を会得します。当プログラムは県内外の急性期病院と連携し、専攻医が必要を超える研鑽を期間的に無理なく積めるよう体制を整えてきました。
　医師不足と言われて久しい地域医療ですが、ここ中濃の地で、私たちとともに急性期医療を頑張れる情熱ある医師を求めています。