生活行動回復看護(NICD)

NICD学会認定看護師
脳神経外科での勤務が長くなり、2012年度に意識障害・廃用症候群患者の生活行動回復看護(通称、NICD)という専門領域の学会認定看護師の資格を取得しました。この看護を実践するようになり、患者さんの回復はこれまでの経験では得られなかったもに変化していると実感し、改めて看護の重要性を感じています。患者さんの可能性を引き出す看護に、共感してくれる仲間との看護実践は、とても楽しくやりがいを感じています。実習に来る学生さんや、インターンシップにくる方からも「感動したっ!」とのお言葉を頂いております。

NICD学会認定看護師
救命救急センター看護師として、生命の危機的状況にある患者に病気やけがを治すだけではなく、早期の生活回復を視野に入れたNICDの介入を目指しています。

 

 

 

NICD研修
 患者さんの自立を目指す看護実践のために必要な、看護技術研修会を実施しています。これは「ナーシングバイオメカニクスに基づく自立のための生活支援技術」というもので、筑波大学名誉教授の紙屋克子先生らによって技術開発されているものです。
 院内にはこの技術を指導レベルまで研修が終了している看護師が3名います。毎年、新採用者研修や、看護職員の自己研鑽のための研修を開催しています。この研修で技術を習得し、部署で患者さんのケアに役立てています。

  

NICD実践報告
 NICDとは、意識障害・寝たきり(廃用症候群)患者の生活行動回復看護(Nursing to Independence for the Consciousness disorder and Disuse syndrome Patient)の省略です。これは、自ら生活行動が困難な患者に対し、①生活リズムの確立と栄養状態の調整、②動ける身体づくり、③自ら生活行動を起こす環境の調整を実践する看護技術のことであり、この3点の看護技術を、対象者に応じてオーダメイドに看護計画を立案するものです。
この看護技術は、2010年度より日本ヒューマン・ナーシング研究学会と日本脳神経看護研究学会の共催で、学会認定看護師教育課程が開設されており、当院には2名の学会認定看護師が誕生しています。学会認定看護師による院内教育が実施され、患者さんへの実践において直接指導も行っています。
主に脳神経外科病棟においてこの看護実践を推進しており、患者さんに起こる変化はこれまでの看護では得られなかったものになり、成果が出はじめています。急性期病院においても在宅療養へ移行する支援ができるよう、リハビリと協働し自立をめざす看護を実践しています。