人工膝関節置換術
股関節は球形の大腿骨骨頭と骨盤側で受け皿となる臼蓋との組み合わせで出来た球関節です。
股関節疾患により股関節の可動域制限、疹痛や歩行障害を生じます。
原因となる疾患には以下のものがあります。
変形性股関節症
日本人の女性に多い先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全から、加齢に伴う退行性変化によって軟骨が磨耗し、次第に関節は変形し日常生活動作の障害を生じます。
大腿骨頭壊死症
大腿骨頭の一部が壊死する疾患です。体重によって圧潰し強い痛みを生じます。
関節リウマチ
勝原病に含まれる代表的な病気の一つで、大関節にも関節破壊をおこします。
症状として、股関節痛、運動痛などで変性が進行するにつれ痛みは持続性となり安静時や夜間痛も現れます。
当院では保存療法で症状の改善が得られず日常生活に支障をきたしている場合には手術療法として人工股関節置換術を行っています。
人工股関節置換術
骨親和性の高いチタン合金製のカップとステムを骨盤側と大腿骨側に固定し、関節面には磨耗の少ない素材を使います。
従来の手術
従来は2 0 '""'-'30cm ほど皮膚を切開し、股関節周囲の筋肉も切除して手術を行っていました。
手術してから退院するまでに早い人でも1 か月以上の入院期間が必要であることが多くありました。
MIS (Minimally Invasive Surgery)
皮膚切開を10crp 以下の最小限度の長さで行うものです。股関節周囲の筋肉をほとんど切離
せずに人工関節術が可能となっています。手術後の回復、歩行、社会復帰も飛躍的に向上しました。
当院でのMISTHA (筋健温存仰臥位前外側アプローチ)
しかしながら多院では大腿骨の操作にあたり一部大腿骨頚部に付着している筋肉(短外旋筋群)を一部剥離して手術しているのが現状です。その筋肉は股関節の安定化に大きく関与しているため当院ではそれらの筋肉を含め完全に筋温存する手術を行っています。
また大腿骨骨温存のため短くて薄いステムを用い、また近位部で、の荷重を再現して生理的な荷重伝達を可能とします。
関節面に使用するポリエチレンも東京大学と京セラが開発した摩耗が起こりにくい素材を使用することで人工関節の耐久年数を延ばすことができます。