人工膝関節置換術(TKA)

変形性関節症や関節リウマチや大腿骨内顆骨壊死などの疾患に対して行っています。
変形した関節を、金属やセラミック、ポリエチレンなどでできた人工膝関節で入れ替えることで疼痛がなくなり、日常生活レベルがかなり改善されます。
手術時間は通常1~2時間程度です。
ほとんどの患者さんは術後3週間以内に杖を使って歩くことができて退院となります。
人工膝関節置換術は、20年以上経過すると緩みが生じ、入替えの手術が必要となる場合があります。しかし、再置換手術を受けることになっても、1ヵ月半の入院で退院することが可能です。
手術の合併症として、感染、深部静脈血栓症・肺塞栓症などのリスクがあります。
退院後は、自転車や、水泳やゴルフなどもできるようになります。

当科では低侵襲に手術を行うことで早期に機能回復が得られることとさらに膝関節がよく曲がるための深屈曲を目指した手術を最小侵襲手術(Minimally Invasive Surgery; MIS)で行っています。
手術の方法をしては変形の程度により以下の治療方針で行っています。
変形の強い患者さんに対しては適切な靭帯バランスが得ることができるgap techniqueで行う人工膝関節置換術を行うことで深屈曲が可能となる手術を行っています。
変形が中等度の症例に対しては、2015年初めから前十字靭帯と後十字靭帯の機能をもった機種を新たに導入することにより、今までの人工関節にはみられなかった正常の膝関節と同じ動きを再現する人工膝関節を行っています。
そして変形の少ない患者さんに対しては次の方針で手術を行っています。
高齢者ではより侵襲の少ない手術を選択し、膝関節の外側は温存して内側のみを置換する単顆置換型人工膝関節置換術(UKA)を行っています。
比較的年齢の若い患者さんには関節温存手術である高位𦙾骨骨切り術(HTO)を行っています